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COLUMN

NMNが未来の社会にもたらすもの

2019.09.17

高齢者がいつまでも社会で輝き続けるために

「人生100年時代」という、かつて経験したことのない超高齢化を迎えた現代社会。その中でいま、健康寿命に注目が集まっている。精神的にも肉体的にも生き生きとした状態を保ったまま年を重ねることができれば、生きがいを持ち、積極的に社会に関わりながら充実した余生を送ることができるというのが、NOMONが考える未来の社会のあり方だ。では、その健康寿命を延ばすかもしれない物質をご存知だろうか。 NMN(=ニコチンアミドモノヌクレオチド)と呼ばれる物質がそれだ。ここでは、世界的に注目を集めているNMNについての正しい知識や、このジャンルの第一人者による最新の研究結果についてお伝えしていく。

はじめに老化のメカニズムについて説明しよう。老化とは、時間に伴い身体のさまざまな機能が低下する現象のことをいう。例えば、年を重ねると血糖値が上がったり高血圧になったりということがあるが、これが老化現象だ。老化現象は誰もが経験するが、その現象が現れるスピードやパターンには個人差がある。なぜなら老化現象は、栄養の摂り方やストレスレベルといった環境要因と、それぞれが生まれ持った遺伝的要素の二つに大きな影響を受けるからだ。

「老化そのものを止めることはできないけれど、老化による機能低下を最低限にとどめることで健康寿命の延伸を実現することができるかもしれません」

そう語るのは、ワシントン大学 医学部 発生生物学部門・医学部門の今井眞一郎教授だ。老化と寿命に関する第一線の研究者であり、NMN研究のパイオニアとして知られている。

「最新のマウスを用いた研究から、老化を制御するのは脳の視床下部であることがわかっています。視床下部とは、ホルモン分泌、体温、心拍など自律神経の働きを司っている部位で、例えるなら航空機のオートパイロット機能を制御するコントロールセンターのようなもの。この視床下部に老化を制御する神経細胞の集団が存在します。年を取ってその機能が低下すると、血圧や血糖値の上昇といった様々な現象を全身に引き起こすのです」

今井教授が研究するNMNは、体内に取り込まれると酵素の働きによりNAD(=ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換される。すでに今井教授のマウスを用いた研究からNADが老化に関係するサーチュインという遺伝子を脳内で活性化することが明らかになっているが、このNAD量が加齢に伴い減少してしまうことが老化現象を引き起こすと考えられている。ならばNADを補うことで老化現象をコントロールできるのではないか。

「実際、NMNの投与によりNADを補充したマウスの実験では、エネルギー代謝の上昇や血中コレステロール値および中性脂肪値の改善、すい臓や肝臓など臓器の機能改善が認められました。また、加齢によって低下する骨密度や免疫細胞の数も上昇していたのです」

なお、適度な運動を行うことやサーカディアンリズムに寄り添った生活リズムがNAD量を高めるということもマウスを用いた研究によりわかってきた。

「サーカディアンリズムは体内時計ともいわれ、地球の自転に呼応した24時間周期のリズムを刻んでいます。自分たちの生活リズムをこれに合わせることで老化を遅らせることができると考えています」

NMNの摂取に加え、運動や規則正しい生活というNADを高める行動が、老化に伴う症状を改善して全身の機能を高めてくれるだろう。寝たきりの高齢者を減らすことで社会保障費は削減され、若者が高齢者を支えるという年金システムを見直すことも可能になるかもしれない。その先に見据えるのは、知識や経験を備えた高齢者が介護や助けを必要とせず、生き生きと輝き続ける社会だ。NMNの抗老化作用がこれからの社会を変えていく、今井教授はそんな未来を描いている。

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