ニュース

1月7日は七草粥の日!
松嶋啓介シェフによる医食同源イベントを開催

投稿日:2019.12.20  |  更新日:2020.10.30

七草粥をきっかけに、自らの健康と“well-being”を考える。

年始に口にする伝統食の七草粥、これをともに作り味わうことで自らの体調を振り返ろうという食イベントをシェフの松嶋啓介さんとともに開催する。七草粥のような伝統食、日本固有の暦や行事が私たちにもたらすものとは果たして何だろう。七草粥を通じて日本の伝統が育んだ食習慣に想いを馳せてみよう。

四季の巡りに寄り添う私たちの暮らしの、根底に根付いている伝統行事。その最たるものが五節句と言えるだろう。五節句はもともと古代中国で定められた季節の節目のこと。日本にもたらされた五節句は宮中の儀礼や祭礼と結びつき、神に供えものをして無病息災を祈る行事として貴族社会から庶民にまで広まっていった。

中国では1月7日を五節句のひとつである「人日の節句」と定め、7種の若菜を入れた粥、「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」を口にして無病息災を願う風習があった。早春にいち早く芽吹く七草に邪気を払う効果を求めたといわれている。この風習が平安時代の日本に伝えらえると、年の初めに若菜を摘んでそこから生命力をいただく「若菜摘み」とい古来の風習と結びつき、「七草粥」として定着したのである。

それではなぜ、私たちは今も七草粥を食べるのか。現在、七草粥に使うのは「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」。これらはいわば日本のハーブ(薬草)で、それぞれが食欲増進、消化機能亢進、整腸作用、高血圧予防、美肌などの薬効を備え、古くから民間療法として使われてきた。加えて、あっさりしたおかゆには年末の暴飲暴食や塩辛いおせちの食べ疲れで弱った胃腸を休める効果もあったのである。

このように四季に紐づき、自然の知恵を取り入れた伝統食こそ、“well-being”である」と松嶋さんは言う。“well-being”とは肉体的にも精神的に、社会的にも、人がよく生きている状態を指す。

「プロダクティブ・エイジングにもつながる“well-being”は予防医学の分野で提唱されている新しい概念と思われていますが、実は私たち日本人の伝統こそ“well-being”なのではないでしょうか」

今回は松嶋さんと七草粥を作るだけではない。参加者はイベント当日までの食生活をオンライン食生活管理・改善アプリ「あすけん」に記録する。年末年始の食生活や栄養状態を、各々が振り返ろうという試みだ。栄養状態の客観的なサマリーがイベント当日に紹介されるほか、参加者には後日、管理栄養士とAIによる栄養アドバイスが送付される。

「ただ食べるだけではなく、そこに込められた意味を知り、ともに作り、味わうことで伝統を見直したい。そしてみんなで、食こそが人を育てるという意味を一緒に深めていきたい」と語る松嶋さんとの七草粥イベント。暴飲暴食で弱った胃腸を休め、いま一度、伝統食が現代人にもたらすものの意味を考えてみよう。

<イベント情報>
「七草粥いただきます-喰い改よ- Well-Beingとは? 伝承とは?」
開催日:2020年1月7日(火)
開催時間:(2部制)
第1部 14:00〜16:30
第2部 18:00〜20:30
場所:plus international 銀座ファイブスタジオ/ABC Cooking Studio
料金:¥5,000(税込)
申込方法:下記URLからお申込みください。
https://www.event-form.jp/event/7056/nanakusagayu