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COLUMN

先端医療の第一人者が語る
未来型のエイジングケア

2020.01.14

プロダクティブエイジングの両輪を担うのは
NMNと幹細胞!

エイジングケアにも関わる再生医療。その第一人者としてトップアスリートから政財界の要人までを患者に抱えるのが、医学博士の金田宗久さんだ。幹細胞治療の草創期から現場で実績を積むのみならず、現在も大学の研究室に席を置き、先端医療の臨床研究を行なっている。そんな金田さんが考える未来のエイジングケアとは?

京都大学の山中伸弥教授のiPS細胞研究で一躍、注目を集めるようになった幹細胞。幹細胞とは、人体を構成する約37兆個にも及ぶ細胞の中で、分化能(細胞が構造機能的に変化して異なる機能を持つ細胞種に分化する)と自己複製能を持つ特殊な細胞のことを指す。つまり幹細胞の特徴は、生体の様々な組織の細胞に変化する能力を持ち、分裂を繰り返しながら増殖していくところにあり、受精卵などがそれに当たる。

先端医療の分野で注目される幹細胞だが、実は身近なところでこの働きを実感することができる。例えば怪我をした時がそうだ。生体の傷を修復する仕組みを保つためには新しい細胞を生み出して補充する役割を持つ細胞が必要となるが、それを行うのが幹細胞だ。一度分化した幹細胞はその機能を記憶していて、たとえダメージを負ったとしても細胞分裂を繰り返し、元の機能を備えた新しい細胞を作り出すことができる。この幹細胞の特性を利用した再生治療は、海外ではすでに脳梗塞、多発性硬化症といった難病治療に役立てられている。

「再生医療」のメカニズムを紐解く鍵
それはNMNかもしれない

国内では一部の医療機関で治療が始まっている再生医療。「実は幹細胞が筋組織の損傷を修復したり、筋組織に分化したりするときに身体能力をも向上させることがわかってきたのです」というのは、東京プライベートクリニックなどでも再生医療に当たる金田宗久さんだ。

「私たちが行うのは、脂肪細胞の中の幹細胞を取り出して培養し、それを故障箇所に移植するという治療法。移植した幹細胞が損傷した組織を勝手に見つけてくれ、修復してくれるのです。アスリートに対する再生医療では、パフォーマンスの向上という効果がはっきりと現れています」

幹細胞にまつわる多くのメカニズムは未だ解き明かされていないが、この「脂肪由来幹細胞」を手がかりに、金田さんはワシントン大学の今井眞一郎教授のNAD研究に行き着いた。

「再生医療を受けると治療部位が改善されるだけでなく、なぜか元気になる、睡眠の質が向上する、パフォーマンスがアップする、疲れにくくなる。では、どうしてこうした事象が起きるのか。この抽象的なメカニズムを紐解こうとすると今井先生のNADワールドのメカニズムが一番しっくりくるのです。おそらくですが、幹細胞とNMNは体内におけるカスケードにおいてどこかで出会うのではないかと。注目しているのは血液中を巡って標的臓器・組織で細胞質に送り込まれ、NAD合成を活性化するNAD合成系酵素eNAMPT。私が研究する間葉系幹細胞とeNAMPTのソースは同じ、つまり脂肪なのですが、これが今井先生のNADワールドVer.3と幹細胞をつなぐリングになるのではないかと考えています。両者をうまく紐づけられる研究成果が出ると、ソースも同じ、メカニズムも同じということになりますね」

NAD同様に幹細胞も年齢とともに減少してしまう

意外な接点が見つかりそうなNMN と幹細胞だが、解明が待たれるメカニズム以外にも共通するところがある。

「大人になると傷の治りが遅くなると感じているかもしれません。これはNAD同様、幹細胞も年齢とともに減少してしまうから。幹細胞が減って修復する能力が下がっているのです。

NMNは薬ではないが科学的なエビデンスに基づいた食品であるニュートラシューティカルとして注目されています。再生医療もしかりで、日本では保健診療ではなく一部自由診療となっています。自由診療は保険診療に比べると信頼性が低いものと思われがちですが、自由診療の中でも臨床研究をベースに施行される先進医療は、国が定めた厳しい安全基準に則って医療を行っており信頼性は極めて高いのです。

どちらもしっかりとしたエビデンスに基づくものでありながら、保険診療や医薬品に分類されていない、でも安全で科学的なエビデンスが証明されている。今後は医薬品や保険診療だけを頼るのではなく、こうした立ち位置のものをうまく取り入れて健康を維持する時代になるでしょう」

アスリートとの取り組みで気付けた
「再生医療」と「NMN」の両立

NOMONが提唱するプロダクティブエイジングという概念も、金田さんが医療と向き合う中で大切にしているコンセプトと合致する。

「私は外科医なので、機能がある程度衰えている患者さんに外科的治療を施します。再生医療もそれに似ていて、ある程度年齢を重ねた人や絶頂期を過ぎたアスリートが受けたダメージを元の状態、もしくはそれに近いところまで持っていく治療法です。しかし、そこまで機能が衰えたりダメージを受けたりする前に何か手を打てるならそれに越したことはありませんよね。プロダクティブエイジングはまさにそこに光を当ててくれたのです。

現役で活動できる時間を延伸するために、例えば40、50代からNMNを摂取し始め、いざ怪我やダメージを負ったら酷使した箇所を再生医療で補う。加えて食事面に気をつけたら、シニアや引退という概念さえなくなるかもしれません。

ベテランのスポーツ選手はよく、『ようやくこれだけの経験を積めて、これで20代のパフォーマンスを保てていたら……』と言います。しかし、NMNと再生医療はそれを両立させる可能性があります。現在、多くの人が『年をとりたくない』と考えていますが、これを実現できたら『年をとることが楽しい』と言える未来がやってくるでしょう」

NMNと再生医療は「息長くパフォーマンスを保ち、プロダクティブエイジングを叶える両輪」と金田さんは言う。ベテランの経験値と若者のパフォーマンスを両立させることができたら120歳現役人生も夢ではなくなるかもしれない。

「とすると、深刻な少子高齢化が社会問題になっている日本は、逆に世界をリードする国になります。経験のある大人が活躍する、成熟した社会を築くためにも、再生医療とニュートラシューティカルの分野で日本が世界を牽引していきたいですね」

金田宗久
医学博士(慶應義塾大学)。東海大学医学部医学科卒業後、慶應義塾大学医学部外科学専攻。京都大学医学部移植外科への国内留学後に北里大学北里研究所病院外科・血管外科・救急部医長を経て、東海大学医学部付属東京病院外科・血管外科特任講師に就任。現在、再生医療の研究、臨床に従事し、第二種再生医療等提供機関において幹細胞治療の臨床、指導等を行なっている。

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