ホリスティックケアにNMNがもたらすもの
人生100年時代を迎え、アクティブに、幸せに、自分らしい人生を実現するためにはどのように年齢を重ねていけばいいのでしょうか。外見・内面の変化をポジティブに受け止めるためにはどのような心がけが必要なのでしょう。誰もが抱えるこの問題に多面的にアプローチするのがホリスティック医療です。ホリスティック医療を掲げる「まいこ ホリスティック スキン クリニック」院長の山崎まいこ先生に、ホリスティック医療の健康観とNMNの可能性を伺います。
なぜホリスティックが必要なのか
全体的な、包括的なという意味の「ホリスティック」を冠したホリスティック医療。身体のある一部分ではなく、精神や身体を内包する環境をも含めた全体的な視点で健康を考える医学です。それでは「全体的な視点で医療を考える」とはどういうことなのでしょうか?代官山に自身のクリニック、「まいこ ホリスティック スキン クリニック」を構える山崎まいこ先生は、患者一人一人のライフスタイルや価値観、健康観に寄り添い、医学的な治療だけでなく栄養学や生活習慣のアドバイスまでを行うといいます。
「ホリスティック医療というと西洋医学と対立するもの、医薬品を一切使わない医療というイメージをお持ちの方もいらっしゃいます。けれどもホリスティック=『統合的』という名前の通り、西洋医学も含めてさまざまな選択肢を組み合わせ、一人ひとりの価値観や健康観に寄り添ったベストなアプローチを行うことがホリスティック医療なのです」
薬を使いたい人、使いたくない人。急性期、慢性期。新しい視点や考えを受け入れられる人、自分の考えが確立している人。それぞれに異なるストレスレベルや生活習慣。患者一人一人の状態を診てそれぞれの考え方に耳を傾けながらさまざまな選択肢を提示するのが、ホリスティックケアにおける医師の役割、とまいこ先生。
「一般皮膚科、美容皮膚科の診療を通して、肌に悩みを持つ多くの患者さまに対し、さまざまな診療を行ってきました。けれどもアトピーやにきび、湿疹といった特定の症状に対し、単に塗り薬を処方するというような部分的なアプローチでは、症状を抑えることしかできないのです」
そこでまいこ先生が取り組んだのが酵素栄養学でした。一般的な栄養学が栄養素を重視するのに対し、これは栄養素を摂取したあとの消化・吸収と腸内環境に着目した学問です。
「皮膚は体内の状態を映し出す臓器である、そう考えて酵素栄養学をベースとした『ホリスティック栄養学』にもとづき、栄養指導を行うようになりました。外側からだけでなく内側からのケアにも着目したんです。そうして身体の根本から治療するというホリスティックなアプローチにたどり着きました」
必要な栄養素を摂取して消化・吸収できるようになれば、おのずと身体の中が整います。体内が整えば、外側も整うものです。それに伴って気持ちも安定し、心も穏やかに整っていきます。精神が安定すれば消化・吸収の機能も向上します。まさにホリスティックな好循環が生まれるのです。
美容におけるNMNの可能性
まいこ先生の監修のもと、「まいこ ホリスティック スキン クリニック」でNMNの肌モニタリングを行いました。クリニックに通う患者10名に1日2粒250 mgのNMNを30日間摂取してもらい、その結果を肌診断機スコアと肌写真判定、および自己アンケートで評価するというものです。はたして、モニター前後では肌状態にどのような変化があったのでしょう。モニタリングの結果を見てみましょう。
「個人差はありますが、肌状態への効果については頬と口元のキメや毛穴の状態の改善(肌診断、毛穴/キメの数値より)、たるみやハリに効果がある可能性が、そして肌写真判定の結果からは、ほうれい線やマリオネットラインのリフトアップに対する効果が示されました。
NMNが肌の保水力の維持やコラーゲンの生成に関与するのか、角質の新陳代謝を改善するのか。メカニズムについてはさらに検証の必要がありますが、エイジングが原因で起こるトラブルに一定の効果が見られる可能性は高いと思います」
美容面の効果以外にも「疲れを感じにくくなった」、「寝つきがよくなった」、「やる気がでてきた」、「代謝があがった」、「集中力があがった」(自己申告アンケートより)といった評価も見られました。これは健康寿命の延伸に寄与するという可能性を示しているのかもしれません。
「今回のモニターは30代、40代の女性が中心だったのですが、忙しい生活を送っている方々にとって、アクティブかつポジティブに毎日を過ごすための手助けになるといえるのではないでしょうか。私自身も摂取してみたのですが、疲れていてもここぞというときにもうひと頑張りできる、そんな実感がありました。コンスタントにNMNを摂取することが難しければ、たとえば大切なプロジェクトが控えている、結果を出さなくてはいけないといったタイミングに、集中して摂取するという取り入れ方もアリだと思います。いずれにしろ、疲れにくさ、睡眠の質の向上、精神面への前向きな働きかけという評価を考えると、もう少し上の年代の方にモニターになっていただいたら、『健康寿命の延伸』という観点からさらに劇的な結果が生じたかもしれませんね。
さらにホリスティック医療の観点からアドバイスすると、NMNによるビタミンB群の代謝促進をサポートするCOQ10や、細胞膜を健康に保ってくれるビタミンEやCと組み合わせて摂取するとより効果的でしょう。NMNと同様にミトコンドリアを活性化させる適度な運動、ストレスマネジメント、質のいい食事と睡眠を心がけられるとなおいいですね」
プロダクティブ・エイジングとは、自分の幸せを見つめること
アクティブに、ポジティブに毎日を過ごすためには、NMNやサプリメントの摂取のほかにも睡眠に目を向けてほしいとまいこ先生は指摘します。
「きちんと睡眠を取れていないというだけで『パフォーマンスが低下するのではないか』という不安感に苛まれる方も少なくありません。睡眠は身体を修復してくれますし、睡眠を取ることで精神が安定し自分に自信が持てるようになります。気持ちが安定して自分に自信が持てるようになれば、日々、楽しくいられることができるはず。それがいきいきとした、真の美しさになると信じています」
真の美しさとは健康であり、つまり身体がアクティブで、心が満たされていて無理やりではない自然でポジティブな状態、中庸な状態にあること。まいこ先生はこうした状態に導くことを心がけているといいます。
「早寝早起き、適度な運動、健康的な食事……科学的に正しいとされる生活習慣や食生活を実践していても、それを苦痛に感じたりストレスを覚えたりするのであれば、果たしてそれは健康な状態といえるのでしょうか。例えば喫煙や飲酒といった、科学的にはネガティブに思われがちな習慣を持っているとしても、それが好きならば無理に諦める必要はない、私はそう考えています。その分のマイナスは、その他で補えばいいのですから。
自分は何が好きなのだろう、どう過ごしたいのだろう、自分にとっての幸せってなんだろう。まずは一人ひとりがそれを見つめ直すこと。それがプロダクティブ・エイジングの第一歩なのではないでしょうか」