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R&D

未来の風景を変えるかもしれないNMNのこと

2019.12.05

ここまできた!老化・寿命研究の最前線

NMN(=ニコチンアミドモノヌクレチド)。聞きなれないこの物質が一般にも知られるようになったのは、2015年に放送されたNHKスペシャル『ネクストワールド 私たちの未来』がきっかけだった。「寿命はどこまで延びるのか」をテーマにしたこの番組で、ワシントン大学とハーバード大学の研究者が取り組んでいる“若返りの薬”としてNMNが紹介されたのである。「若いまま、健康なまま年を重ねたい」という、人類の長年の夢がいよいよ現実味を帯び始めている……。番組では、2045年にはこの若返り薬が実現するのではないかと結ばれていたが、果たして老化研究はどこまで進んでいるのか。NOMON代表取締役CEOの山名慶による、超高齢社会を救うかもしれないNMNと商品開発に至るまでのバックストーリー。

“若返りの薬”というと、どこかおとぎ話めいたものに聞こえてしまうかもしれない。例えば、不老不死のアムリタや始皇帝が求めた仙薬のように。が、これからご紹介するのは最新の知見に基づいた21世紀のサイエンスである。
若返りを実現する、老化を抑制するための研究は超高齢社会を迎えた現代が抱える大きな問題を解決できる可能性があり、世界各地の学術機関が長年、研究にとり組んできた経緯がある。分子生物学や分子遺伝学を駆使した結果、老化や寿命のシステムが進化的に保存された遺伝学的、生化学的な過程であり、コントロールできる可能性があると判明したのが1980〜90年代のこと。そして2000年には老化研究に大きな足跡を残した、とある論文が発表された。マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授と今井眞一郎教授による、サーチュインに関する研究がそれだ。サーチュインは細菌から哺乳類までの生物に幅広く存在するタンパク質だが、それまでその機能はほとんど解明されていなかった。2人の研究者はサーチュインが老化・寿命の制御に関わる特別な酵素であることを発表したのである。

老化抑制のメカニズムとは

さて、今井教授はサーチュインを活性化するのがNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)であることを突き止めた。NADは、あらゆる生物の臓器や組織の細胞に存在しエネルギーを生み出す際に使われる。いわば体内の代謝の源なのだがNAD自体は目新しいものではなく、酵母のアルコール発酵を促す物質として初めて論文に登場したのは1906年のこと。生化学の教科書にも必ず載っているほどよく知られた存在である。
ヒトでは7種類のサーチュインが存在し全身の臓器の老化を制御しているがこれらは通常は活動せず休眠しているため、これを起動させなくては活性化しないのだが、今井教授の研究によるとNADがその起動スイッチの役割を果たしているのだ。このNAD、加齢に伴って減少することがわかっている。老化症状とはつまり、NADの減少により引き起こされた臓器や組織の機能低下のことであると考えることができる。ならば不足したNADを補填すれば良さそうなものだが、ひとつ問題があった。絶食や運動によりNAD量を増やすことは可能なのだが、NADそのものを摂取しても細胞には取り込まれないのである。
そこで今井教授が目をつけたのがNMNだった。NMNはもともとヒトや生物の体内で自然につくられている物質であり、母乳に含まれていることから、ヒトが生まれて初めて摂取する栄養素の一つともいえるだろう。緑黄色野菜などにも含まれるNMNは人体の機能を修復する役割を担っており、これを摂取すると体内でNADに変換されることがわかっている。

今井教授の研究室でマウスに1年間、NMNを投与したところ、通常のマウスに比べ、「中年太り」(体重増加)、加齢によるエネルギー代謝の低下、骨密度の低下、眼の機能低下など、多くの臓器の機能低下が著しく抑制されていた。つまり、NMNによる明らかな抗老化作用が確認されたのである。加えて、NMNが糖尿病に対して著しい効果があること、さらにはアルツハイマーや心不全、腎不全などそのほかの疾患にも効果があることも明らかになった。これらの結果は動物実験によるものであり、この結果からヒトでの「若返り」効果を期待するのは時期尚早かもしれないが、少なくとも特定の機能の若返り、あるいは老化抑制の効果を期待できる、とはいえるのではないだろうか。

老化抑制を期待して
NMNを日常的に摂取する

こうした経緯から「若返り薬」として一躍、世界中の注目を集めるようになったNMN。NHKの番組から4年経った2019年現在、老化研究におけるNMNはフレイルや糖尿病を対象として臨床研究が行われている。

その一方で、老化現象を遅らせる効果を期待してNMNを日常的に摂取することができるサプリメントの発売も始まっている。ブロッコリやアボカド、枝豆など食品からの摂取が可能なNMNだが、加齢とともに徐々に減少し、50代後半で若い時の半分程度になり、さらにその後も減少していくため、食事だけで補うことができなくなる。そこでサプリのような形でNMNを補填し、老化現象を抑制しようというのだ。

最先端の研究でその効果が明らかにされつつあるNMNは私たちにどう作用するのか。その老化抑制効果は人間のフレイル(健康な状態から要介護状態に移行する間の段階)にも有効性を発揮するのか、私たちの社会にどんな影響を及ぼすのか。今年スタートした私たちNOMONは、ニュートラシューティカル( 健康の維持に対し明確な科学的根拠を有する食品 )を扱う企業として、NMNを通じて老化に対する最新の答えを提供し、人生100年時代におけるプロダクティブ・エイジングを実現したいと考えている。

果たしてみなさんは超高齢社会の生き方、プロダクティブな老後、自身の晩年をどうお考えだろうか。NMNはどんな未来を築くだろうか。NOMONでは研究者のみならず、一般の皆さんからも広くご意見、ご感想を募りたいと考えている。

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