“素朴な疑問から
プロジェクトが生まれた”
NOMONが生まれたきっかけ
帝人(株)に入社以来20年間、医薬品研究一筋の日々を過ごしていた私は、恵まれた研究環境とすばらしい仲間に感謝しつつも、いつもなにか漠然とした “?” が頭の中に浮かんでいました。新しい医薬品をつくることは素晴らしい仕事です。もうすぐガンが治癒する時代が来るでしょう。しかし、画期的な薬が生まれても、介護・医療費の増大など超高齢社会に伴うさまざまな問題は未解決のままです。今、日本には捉えどころのない不安が漂っています。人生100年時代が到来すれば、定年後に実に40年もの「老後」が待ち構えています。人生最後の10年間は介護が必要です。このような時代だからこそ私たちは、「身体的・精神的な健康とはなにか?」、を新たに議論する必要があるのではないかと思っています。「すべての人が生まれてから最後の日まで、安心して、その人らしく尊厳を持って幸せな人生を全うするために何ができるだろう?」、これがNOMONの課題認識です。
ある時、ふと、素朴な疑問が湧いてきました。「薬のような効果のある栄養素や食べものってないのか?」。これは、昔から大切にされてきた「医食同源」という考え方です。これまでに人類が蓄積してきた食に関する膨大な知恵に加えて、最先端科学による明確なエビデンスに基づいた健康に役立つ食品を見出すことができれば、毎日の生活の中で予防医療が実現し、医療費や介護の問題が解決に向かうのではないかと思いました。これがNOMONが生まれたきっかけです。